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ノーベル賞

宇宙・天文関係でノーベル賞が出ても名前も知らない人たちだろうな、と思ってたら確かに宇宙・天文関係で名前も知らない人たちがノーベル賞を取ったようでした。
とは言っても、COBEやWMAPの宇宙背景放射のゆらぎの分布の図は本郷に居たときに何度も見たような気がします。COBEをやっていた人たちのリーダーがノーベル賞もらったってことなんですね。Project X。

ところで今日はLeggettの統計力学の講義がありました。まあ毎週あるんですが、ノーベル賞受賞者の講義が毎週あるっていうことに今日改めて気づきました。(正確には週に二回ある。)
Leggettの講義ですが、最初はなかなか平凡な講義だと思っていたんですが、最近もしかしたらこれは非常に良い講義なんではないかと思ってきました。いや、講義自体は彼のアクセントの理解しづらさもあって半ば午後のお休みタイムとなってしまっているんですが、講義ノートをよく読んでみるとなかなか他にはないことが書いてある。特徴的なのは、ほとんど全ての事柄に対して、その理論がどこまで適用可能でどこから適用できなくなるかが徹底して書いてあるということです。(例えば、「・・・以上のことは粒子の内部自由度に関する転換が実験スケールに比べて十分早く起きるときにのみ成り立ち、金属中の電子ではこれは満たされるがアルカリ原子気体系では成り立たない」、など。)特によく出てくるのは、cold atom系では成り立たない、という表現です。彼は、自分のやっている計算がどういうときに意味を持ってどういうときには意味を持たないのかを徹底的に考えているような印象を受けます。
彼の講義ノートは誰でもダウンロード可能なので、興味のある方は
http://online.physics.uiuc.edu/courses/phys504/fall06/
へ行って見て下さい。
by t_oz | 2006-10-04 12:30