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こんにちは。お久しぶりです。最近は何か書きたくなったらTwitterに書き込んでしまうようになったので、こちらはあまり更新していませんでした。ちなみに僕のTwitterは
https://twitter.com/#!/oz_tomoki
です。

僕は先月無事D論審査を終えて最近は若干のんびりしているところです。

突然こちらを更新しようと思ったのは、分厚い本を読み終わってその感想を書きたくなったからです。
Jared Diamond著『銃・病原菌・鉄』の原書ハードカバーの2005年版を読みました。
原書ハードカバー2005年版とわざわざ書いたのは、そこに意味があるからです。先日日本に帰ったときにこの訳書の文庫版が書店にいっぱい並んでいて気になっていたのだけれど、こちらに帰ってきてから調べてみたら訳書(2000年に翻訳)には原書の最新版(2005年)の最終章が訳出されていないことがわかりました。そして、その訳出されていない章が日本についてだというから、なんだか俄然興味がわいてしまい、買って読んでしまいました。ちなみに、原書ペーパーバック版にはこの日本についての最終章はないようです。(本屋で両方手に取って確認しました。)ハードカバー最新版の表紙には"With a new chapter on Japan"とちゃんと書いてあって、最終章"Who are the Japanese?"が追加されています。(正確にいうならば、エピローグの後、2003年版後書きの前。)この本についてご存じない方のために少し説明すると、これは人類の歴史を考古学・言語学・遺伝学等々の知見を用いてなるべく科学的に論じようという本です。現在の人類の文明・文化の発達のアンバランスは地理的な要因に帰せられるのであって、人種間の能力の差や性格の違いによるものではない、というのがこの本の主張です。とても説得力のある本で、特に、なぜ農業はメソポタミアでは発達したけれど、現在大規模な農業が営まれているカリフォルニア北部ではヨーロッパ人の登場以前に農業が育たなかったのか、などの農業に関する部分は秀逸でした。こんななかなか面白い本なのですが、なぜか最後に取ってつけたように『日本人はどこから来たのか?』という章が付け足されていたわけです。1997年の初版、2003年の新版にはなかった2005年からの新しい章なので、なぜ著者がこの章をどうしても入れなければいけなかったのか、どうにも疑問が湧いてきます。内容を要約すると、アイヌ人が縄文人であり、弥生人そして現在の日本人(大和民族、という表現は使われていなかったけれど)は朝鮮半島からやってきた人たちの末裔であるということでした。まあ、その結論自体は良いんだけれど、なんだか日本人についてのいろいろな謎の解説が書いてあって不思議な感じのする章でした。日本は考古学に莫大な予算が充てられており、日本人が他のアジア人といかに異なっているかということを強調する考古学に関するニュースが毎日のようにテレビや新聞の一面を飾っている、なんて書いてあります。えー、日本ってそんなだったかなあ。とここまで書いたところで、なんとこの章の日本語訳を発見!
http://cruel.org/diamond/GGSaddition.html
なんだー、訳があったのかあ。最終章抜きの邦訳を読んだ方は是非読んでみてください。最終章どころかこんな本読んでないよーという方で、人類の歴史に興味のある方は邦訳でも原書でもどっちでもいいから読んでみることをおすすめします。この本は面白かった。

ということで、だいぶ長くなってしまってTwitterに収まりきらなくなったのでこちらで更新しました。
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