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昨日、アーバナでSweet Corn Festivalというのがあって行ってきました。アーバナという町の文化祭のようなものです。あるいは夏祭りとも言えるかもしれない。バターのたっぷりついたとうもろこし売場や、その他いろいろな出店があって賑わっていました。アーバナもシャンペーンもいろいろ頑張っているようです。

ようやくマーシャ・ガッセンの『完全なる証明』を読みました。ポアンカレ予想についての本ではなく、ペレルマンについての本でした。ペレルマンの証明が現れた直後の数学コミュニティの反応、証明に対するハミルトンの態度、ヤウ門下の人たちのハミルトン・ペレルマン理論を用いたポアンカレ予想の"証明"についての記述などの部分は非常に面白くて最後は一気に読み終わりました。高次元のポアンカレ予想の解決に関する記述がほとんどなかったのは意外だったけれど、ポアンカレ予想の本ではなくてペレルマンの本なんだと思えば理解できるか。高校時代の記述の量に比べて、大学院時代やアメリカのポスドク時代(つまり数学者になってから)の記述がずっと少なくて、なんだかバランスが悪かったとも思う。でも、ポアンカレ予想が宇宙の構造と直接関係無いことを強調したり、リッチ・フローの理論に現れる"エントロピー"なんかの用語を捕らえて物理を使っているなんて主張しないところは、よく巷でみられる誤解を招くような解説と違って注意深く書かれているという印象を受けました。そういえば、キノコ狩りの話も全く出てこなかった。
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今朝は友人を駅まで送る関係で5時に起きました。駅から帰ってきて、朝食を食べて、少し本を読んで、部屋の掃除をして、そしてオフィスにやってきたけれど、それでもまだ朝の8時くらい。朝早く起きると一日が長くて良いですね。

先週、ドライブイン・シアターに行ってきました。
野外にスクリーンが設置されていて、車の中からあるいは車の外に椅子を置いて屋外で映画を観るというアメリカ文化の結晶です。観た映画は『The Expendables』という、シルヴェスター・スタローン監督・主演のアメリカ的アクション映画。全てが実にアメリカ的でした。

今週は、普通の映画館で『Inception』を観てきました。最後の部分は良くわからなかったけれど、全体的には面白い映画だと思いました。誰かがマトリックスみたいな映画だって言ってたけど、僕にはマトリックスよりもずっと面白かったです。

ついに、中国人学生向けの、中華料理屋その他で使える割引カードを手に入れました。中国人の友達に売り場を聞いて、行ってみたら普通に売ってくれました。これで、多くの中華料理屋で10%引きで食事をすることができるようになりました。これはうれしい。

前にも書きましたが、今学期は量子力学と熱力学のクラスのTAをやっています。主に大学二年生向けの講義です。一週目を終えて、イリノイ大の学生は複素数をあまりよく理解していないということがよくわかりました。特に絶対値の概念があまりよくわかっていない。あと、複素平面とは何かということもよくわかっていない人が多い。これにはドイツ人の教授も驚いていました。ちなみに、USNewsの2010年のランキングではイリノイ大の学部はBest Engineering Schoolのランキングで全米5位です。アメリカの教育システムがどうやって機能しているのかは未だに大きな謎です。

ところで、最近大学がバーディーンについての短い伝記映画を作ったようです。約23分で、以下から見られます。
Spark of Genius: The Story of John Bardeen
そんなに良い出来だとは思えないけれど、完全に退屈だというわけでもないので、もしすごく暇だったら見てみると暇がつぶれるかもしれません。
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みなさん、こんにちは。お久しぶりです。
だいぶ更新が滞っていました。
別に何かがあったわけでもなく、特に何もなかったというわけでもありません。
前回更新時はLes Houchesからでした。Les Houchesはインターネットがメインの建物でしか使えず、最近ずいぶんと動きが遅くなってきた僕のコンピュータをメインの建物に持ってくるのがおっくうだったのであまりインターネットには触れない生活を送っていました。そのままずるずると月日が経って今まで更新していなかったというようなわけです。

Les Houchesは楽しかった。できればまた行きたいなあ。自分の研究を理解してくれる人と話すことができるのは非常に気持ちが良い。研究以外でも、ヨーロッパ人はアメリカ人とは随分と考え方が違うので話をしていて非常に新鮮な気持ちになれます。そんな一ヶ月でした。

その後は、アメリカに戻る前に少しパリに寄って観光。ルーブルとかオルセーとか凱旋門とかエッフェル塔とか見なければいけない場所は見に行きました。予想以上に面白かったのはポンピドゥ国立美術文化センター。現代美術の総合的な施設なんですが、行ってみたら地下で謎の集団が「白雪姫の宴」というパフォーマンスをしていて、5~6人の白雪姫に扮した謎の人たちが長いテーブルの周りでたたずんでいました。テーブルの上や周りには物が散乱していて、テーブルの横にはいのししが横たわっていました。マシンガンを持ってる白雪姫もいました。すごいなあと思ったのは、観客と白雪姫たちの間には特に仕切りがあるわけでもなく、白雪姫たちは観客の中を歩いたり、エレベーターに乗って上の方に行ったりと空間が比較的自由に使われていました。これを見て、東京はまだパリにはかなわないなあと思いました。他国の都市でそんなことを思ったのは初めてでした。

パリの本屋で何かフランス語の物理の本を買おうと思って、Les Houchesで知り合ったフランス人に聞いてみたらみんなが薦めるのがコーエン・タヌージの量子力学の本でした。フランスでは「聖書」と呼ばれているらしい。ちなみに、コーエン・タヌージは量子力学の本を書いた後に量子光学(むしろ原子分子光学かな)の本も書いていて、それらと対比する場合は量子力学の本は「旧約聖書」、量子光学の本は「新約聖書」と呼ばれているらしい。確かにこの旧約聖書はちょっと欲しいけど、二巻セットでかなりのボリューム。フランス語の原書は英訳本よりも安いとは言え、二冊合わせるとおよそ100ユーロ。しかもかなり重い。専門書が置いてあるパリの本屋を教えてもらって行ってみたところ、旧約聖書を見つけたことは見つけたけれど、少し迷ってから他の本を探してみることにしました。物理の棚を一通り見てもどうもしっくり来る本がなかったので数学の棚を見ていたらコンヌの非可換幾何の本があって、中身を見てみたら量子ホール効果の説明とかしてあったから、これならちょうどいいと思って買ってきました。比較的薄いし、よく知らない分野の本だけど全く無関係というわけでもないと思うから良い買い物ができたと思う。昔、本郷の書籍部に日本語訳が置いてあってなんだかいかつい本だなあと思った記憶があるけれど、フランス語の原書は表紙にコンヌ氏の笑顔の写真が大きく載せてあって若干フレンドリーな感じでした。

約2週間前にアメリカに帰ってきました。シャンペーンの夏は蒸し暑い。今週は新入生がやってくる週で、街もだいぶにぎやかになってきました。僕は秋学期に大学二年生向けの講義の演習のTAをやることになりました。演習のTAは大学院に入った最初の学期にやったきりで、久しぶりです。前回の演習は非工学部生向けの物理の力学の講義で、今回は一応工学部生向けの講義(熱・量子力学)なので、学生の層はかなり違うのだと思う。まあ大丈夫でしょう。朝8時からの演習が2回あるから、これを期に早起きできるようになれば良いなあ。
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