BCS50 二日目以降

BCS50二日目以降の様子です。

二日目(2007/10/11 木曜日):

二日目は主に高温超伝導の話です。
朝、寝坊して最初の二つの発表を聞きそびれました。
高温超伝導の実験に関する発表だったはず。

三人目の発表者はUniversity of Illinois at ChicagoのJ.C.Campuzano。
え~と、何の発表だったか思い出せません。高温超伝導の実験だったはず。

四人目は、CornellのJ.C. Davis。走査型トンネル顕微鏡の人です。
高温超電導体表面をトンネル顕微鏡で探って実空間のギャップの分布を調べたって話です。分かりやすかった。

この後お昼ごはん。午後の発表は最初の二人はまた高温超伝導の実験の話っぽくてあんまり興味が無かったから撤退。オフィスに戻りました。

午後2:50からの理論家によるパネルディスカッションは聞きに行きました。
参加者は、P.W.Anderson, Andrey Chubukov, M.P.A. Fisher, Steven Kivelson, David Pines, George Sawatzky, Douglas Scalapino, Chandra Varma, Jan Zaanenの9人。
司会進行はPhilip Phillips。まあ、何というか、僕の予備知識が足りていないのでよく分からず。

その後、American Physical SocietyによってBardeenらがBCS理論を作った建物をhistoric siteに認定するという認定プレート授与式みたいなのがありました。
どうやらこのhistoric site委員会というのは2004年にできたばかりで、今のところ10ヶ所程度historic sitesに認定されているようです。ミリカンが油滴の実験を行った場所とか、最初のPhysical Reviewが発行された場所とかが選ばれてます。委員会は7~8人のメンバーから成っているようですが、なぜかBaymも委員になってました。委員長がこのhistoric siteの説明の最中に「ヘンリーが自己インダクタンスを発見した場所がどこだかわかる人はいますか?」と聴衆に聞いたところ、誰かが「・・・だ」って答えました。(答えがどこだったのか忘れました。)で、委員長が「今、・・・って答えたのは誰だ?」って聞いたところ、手を挙げた人はWeinbergでした。どうやらWeinbergも委員会のメンバーの一人のようです。

その夜、7:30からWeinbergの公開講演会がありました。
自発的対称性の破れをテーマにBCSとからめての講演です。講演後にCooperが質問(というかコメント)で、BCSが発表された当時は超伝導が既存の物理で説明できてしまうことに対して残念がる人たちもいたというコメントをしていました。どうやら、当時は超伝導を説明するためには何か根本的に新しい粒子や法則を導入しなければならないんじゃないかと考える人たちもいたようで(e.g. Meissner)、それが単なる電子と格子の相互作用で説明できてしまうなんてつまらない、ってコメントを聞いたことがあったそうです。

二日目はこんな感じでした。

三日目(2007/10/12 金曜日):

三日目はUnconventional Superconductorについて。
一人目は、現在UIUCの物理学科長をしているDale Van Harlingen。
彼は、どうやら高温超電導体において電子対がd-wave的に相互作用していることを実験的に示した人のようです。UIUCではPinesがd-waveを主張していて、Van Harlingenはそれを調べてみようと思ってLeggettと組んで実験を案出したのだそうです。

二人目はJoe David Thompson。
Heavy-Fermion系について。なんかよく覚えてないや。

三人目はAndrew Mackenzie。
Ruthenate Superconductorについて。まず最初にルテニウム系の超伝導体を発見した京都大の前野さんに正しいクレジットを与えなければいけない、と言ってMackenzieの子供と前野さんがじゃれあっている写真を大きく画面に写していました。ルテニウム系の超伝導体の発見のお話。

四人目はPaul Chaikin。
有機物超伝導体について。CaltechでのFeynmanの量子力学の授業は二重スリットも何もなくていきなりSQUIDの説明から始まったって言ってました。
Chaikinは頭のよく切れる人物という印象を受けました。

午前中はここまで。
午後の講義は最初のMarvin Cohenの話だけ聞きに行きました。
Cohenは計算機実験の人。いろいろ計算してました。聴衆から、「~は計算したのか」「・・・は計算したのか」っていろいろ質問が出ていました。

三日目はここまでしか聞きに行っていません。

四日目(2007/10/13 土曜日):

四日目はBCSが超伝導以外の分野に応用されている例についてです。
一人目はBaym。
中性子星の話がメインですが、Cold AtomやQuark-Gluon PlasmaへのBCSの応用などを話していました。

二人目はBen Mottelson。原子核理論でのノーベル賞を受賞している人です。原子核におけるBCS pairingの話のはずなんだけど、何を説明していたのかよく分かりませんでした。Mottelsonも、準備がしっかりしてなくてごめんね、って言ってました。

三人目はMark Alford。
Color Superconductivityについて。クォークがなぜBCS pairingを作るのか、という話と、なぜ作りにくいのか、という話について。作りやすいのは、クォークがFermionで強い相互作用によって引き合っているから。作りにくいのは、低温の自由なクォークが中性子星などにしか存在しないから。

四人目は、Ali Alpar。
中性子星と超流動についての話だと思うんだけど、僕はモニター室で別の論文を読んでいたのでほとんど聞いていません。その日は土曜日だったんだけど、急遽月曜日にグループミーティングで論文紹介することになっちゃったからその論文を急いで読んでいたのです。

そしてお昼ご飯。
次に、Osheroff。
ノーベル賞の受賞を知らせるノーベル賞委員会からの電話の録音を聞かせてくれました。朝2:30にかかってきたんだってさ。電話を録音したのは本当に偶然からだったようです。
液体He3の超流動相を発見したときの実験ノートも見せてくれました。発見したときは朝2:40だったんだってさ。

次はLeggett。
先ほどのOsheroffが超流動He3の実験の話だったから、こちらは超流動He3の理論の話。最後の方では、弱い相互作用のパリティの破れを超流動を使って検証する可能性について論じていたりしました。

次は休憩を挟んでDeborah Jin。
言わずと知れたフェルミオン凝縮の実験家です。専門外の人向けの話だったので分かりやすかったです。ただ、あまり深い説明がなかったのは残念でした。

最後にJames Eisenstein。
BCSと量子ホール効果を絡めた実験の説明をしていました。なんだかよくわからなかったけど。

発表はここまで。
最後にMalcolm Beasleyによる総括。プログラムによると5分の予定なんだけど、やけに長くて40分くらい話していました。もう、疲れた。

BCS50はだいたいこんな感じでした。
楽しかった~
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by t_oz | 2007-10-16 11:10 | Comments(0)